愛文

昔流行った あの歌を
小声で口ずさんで
隣で笑う 君の横顔をずっと
眺めていた

街のリズムに ひとつ歩くたび
少し髪が揺れる その風景が綺麗で
息を止めてしまう

世界が消え去るその朝に
君の歌を聴いていたい
もう一瞬 あの日のように
重なり合って そばにいて

どしゃぶりの中で踊る僕ら
愛で溢れてたと思う
気づいた気持ちを 忘れないように
手紙を書くよ 「ありがとう」

居心地のいい優しさに
寄りかかってばかりで
ほんの一言が紡げなくて困ってしまう
僕が嫌いだ

外は雨降り
薄明かりの部屋で 若い愛を燃やそう
理由はいらないよ ここで溶けあおう

君が寂しげに笑う時
胸の奥がチクっと痛い
ひび割れてしまわないように
頼りなさげに抱きしめた

初めての季節 数えて
この場所で恋を知るまで
覚えた言葉を 集めて束ねて
短い 愛文を送ろう

君がここにあるということ
僕がここにあるということ
変わらないものってきっとないから
今が愛おしくて 切なくなる

世界が消え去るその朝に
君の歌を聴いていたい
もう一瞬 あの日のように
重なり合って そばにいて

どしゃぶりの中で踊る僕ら
愛で溢れてたと思う
気づいた気持ちを 忘れないように
手紙を書くよ 「ありがとう」

今日の君に 愛文を送ろう
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