いらくさ姫の伝説

雲よ月をかくせ
今宵あの狩人が来る
夜よ雪をふらせ 心も凍て付く程に
鈴の音が響いて来た
私の恋する人よ
雪は深く前には進めぬ
手綱をゆるめてここでお休み

若き狩人よ
凍えた指をあたためなさい
私の身も心も燃やしてかまわない
美しいそのほほが薔薇色に染まるまで
つかの間の恋に身をこがしながら
火の子と舞うのは赤いポルカ

朝日よもう少し眠っていておくれ
時をあたえておくれ……

いつか夜が明ければ
浅き夢からさめた様に
雪をとかす朝日 そりはすべるけもの道
一時の恋に身をこがすおろか者だと笑うがいい
私は燃えつき灰になりはて
音もたてず空に舞い上がる
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