イチ~愛犬に贈る歌~

移ろい微睡む
この世界の片隅に君は
真っ白な愛と
喜び育んでくれた

いつもいつでも
僕の帰りを待っててくれる
そっと近づいて
驚く顔もチャーミング

食欲旺盛で
お散歩が趣味の
人懐っこくて
どこでもヒロインな

無邪気なしぐさに
悩みも吹き飛んでしまう
変わり者の君の
代わりはいないよ

毛並み揺らして 微笑みかけた
その優しい瞳が好きだ
愛くるしさと儚さに
眼が離せない僕がいるよ
もしも願いが叶うのならば
平穏な毎日でいいから
この幸色で暖かいぬくもり
包まれて眠りたい

ずる賢さでは
右に出る者はいないだろう
でも 心当たり
ある時の目の泳ぎよう

僕のとっておきの
お菓子をこっそり食べる君の
しっぽ フリフリの
様相は天使そのもの

何の前触れなく
犬が変わったみたい
取り憑かれたように
何かに吠え立てる

よこしまなしぐさに
本能のリアルを感じる
変わり者の君の
代わりはいないよ

年甲斐もなく 馳け廻る君
あどけなさが残っているよ
逞しさと麗しさ
眼が離せない僕がいるよ
もしも時計が止まるのならば
閑静な毎日でいいから
この幸色で暖かいぬくもり
包まれて眠りたい

唐突の病相
犬が変わったみたい
今にも枯れそうな
あの眼が 離れない

心 解き放てる
唯一無二の宝物
変わり者の君の
代わりはいないよ

毛並み揺らして 微笑みかけた
その優しい瞳が好きだ
愛くるしさと儚さに
眼が離せない僕がいるよ
もしも願いが叶うのならば
僕の寿命が減ってもいいから
この幸色で暖かいぬくもり
包まれて眠りたい
一緒に 包まれて 眠りたい
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