Smoky

指の隙間埋める熱が今日も
冷えたはずの想い呼び覚ました

吐き出して しまえばいい
何度振り切っても
唇に残る
苦い記憶

サヨナラと言ったのは
君の方で だけど
言いよどむ 僕のこと
きっと見かねてたね
残された 僕はまた
君がくれたライターで 火をつけるたびに
消したい 消せない 夢の中

煙揺れるスクリーン 映し出している
君の笑顔は僕を見つめてたのに

あと少し 僕がもし
愛を見せることを
躊躇(ためら)わなければ
違っていたの?

サヨナラに泣いたのは
僕の方が先で
君のこと 困らせた
ズルい最後だね
抱きしめた 僕の腕
「じゃあ行くね」と 離して
もう振り向かない あの背中を追ったまま

この手をすり抜けて
君はもういなくて

時が過ぎれば色褪せるはずなのに
君への想いは
痛みだけが鮮やかになる
何度火をつけても
誤魔化(ごまか)せない

サヨナラのその後で
思い知るのならば
愛してたことなんて
気づきたくなかった
吐き出した 煙ごと
この体から 消えて欲しい
叫んでも
もう届かない愛を全部

探しても
君はもういなくて
×