泣き虫列車

あのひとが 摘んできた
なでしこを 抱きしめて
さよならと言ったら 泣けちゃった
動きはじめた 汽車の窓から
ポー ポッポッポー
ああ ポッポッポ ポロ ポロ
投げたハンカチは 届かない

海沿いの あの街に
おいてきた 初恋は
つぼみのまんまで 終わったの
呼んでいるよな 白い鴎も
ポー ポッポッポー
ああ ポッポッポ ポロ ポロ
いつか消えちゃった あかね空

しあわせに なるんだと
手をふった あのひとの
麦藁帽子が まだ浮かぶ
泣いているよな 汽笛ならして
ポー ポッポッポー
ああ ポッポッポ ポロ ポロ
汽車はあのひとを 遠くする
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