悪魔

日暮れの空に筆を投げて
画家が行方をくらます夜
運動場へ忍び込んで
消石灰で君を書いた

此れを咎めねば 戦争もかたなしさ

雑木林うち捨てられた
自転車たちが海を目指す
たどり着けば泳ぐでもなく
けたたましくベルを鳴らした

走ってきた距離に つりあわぬ夜が明ける

歩みをとめて踊らないか
今日は悪魔のふりして

壁に書かれた番号へコール
10分後のおれが答える
おれはそれからかけ直すが
10年後のおれはでなかった

あきらめちゃないが
この船は終わりだよ

灯を消して踊らないか
今日は涙の代わりに

歩みを止めて踊らないか
今日は 悪魔のふりして
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