沈黙の少年

なにも考えていないふりしたり
なにか考えているふりしたり
本当の僕のこと
だれも知らないのは僕のせいだよな

塗りつぶされた塗り絵
眺めて笑う少年だった僕は
今も同じようにただ席に座っている

許されることもなく
許すこともない人生がきっと
僕らしさなんだってよくわかっている

繰り返す何度も
終わるまで何度も

なにも考えていないふりしたり
なにか考えているふりしたり
本当の僕のこと
だれも知らないのは僕のせいだよな

想いを歌えば
君に嫌われてしまうから
僕は沈黙の少年

ふりだしに戻るたび
わからなくなった人生の歩幅
比較の中にしか居場所を見出せない

価値観が揺らぐたび
自分を騙すようになってしまった
結局 僕が僕を信じてなくて

繰り返す何度も
終わるまで何度も

あの子が愛を知っていくたびに
僕は愛せなくなってしまう
もどかしいプライドだって
できれば最後までずっと大事にしたいから

拒んで 嘆いて
それでも君と生きていた
このままでいいの? 少年

春が来る前に 決めなきゃいけない
君が言う前に 僕が言わなきゃいけない

君の清廉潔白な胸に
ふれるたび 僕は怖くなる
こんなにもずるいままで 君のそばにいていいのか

それでも愛を知っていくたびに
僕は僕を少し好きになれる
その意味に気づいたとき
それが歌になっていく

なにも考えていないふりしたり
なにか考えているふりしたり
本当の僕のこと
だれも知らないのが僕のせいならば

想いを叫んで 自分で選んでいくんだよ
歌え沈黙の少年
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