十六夜の月~izayoinotsuki~

十六夜の月
ためらいがちの月
夜をつつんでる

入り江の向こうに
あの夏の花火が
そっと 静かにあがる

薄紅色のドレスの砂をはらう
汚さぬように 濡らさぬように
子供みたいに笑う あなたの横顔
ずっと みつめていたい

ちらちらと街の灯が 海岸沿いに滲む
はまゆうの花が咲いていた

泣きたくなるよな やさしさの中で眠る
いっそこのまま
今の二人に 現実はいらない

逢いたいときに 逢えない夢ならば
この海に捨てましょか

ささやく潮風 衣擦れのため息
もっと 知りたいことがある

寄せては返す想い 砕けては散る波に
たいがい二人は黙っていた

遅すぎることはない 早すぎるわけもない
いっそこのまま
この恋 二人で罪深く落ちてゆく

ちらちらと街の灯が 海岸沿いに滲む
はまゆうの花が咲いていた

寄せては返す想い 砕けては散る波に
たいがい二人は黙っていた

入り江の向こうに あの夏の花火があがる
いっそこのまま
今の二人に 現実はいらない
×