九州慕情―鹿児島本線―

鹿児島本線 女の旅に
小倉太鼓が 切なく響く
車窓(まど)は博多の 街灯かり
浮かぶ面影 寂しさ募る
あなた逢いたい もういちど
恋の 恋の名残りを 心に抱いて

夜空に花咲く 筑後の川に
愛を失くした 女がひとり
明日は火の国 田原坂
越えてゆきたい あなたの胸に
罪な笑顔が 愛しくて
夜に 夜に焦がれる この身が熱い

噂も途絶える 八代あたり
風に千切れる 女の情念(いのち)
永遠(とわ)を夢見た 鹿児島は
どこか似ている 横顔ばかり
未練ごころに 泣き濡れて
恋の 恋の残り火 涙に消える
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