揺籠とクローバー

鳥籠を抜け出して
街明かりの影 彷徨う息

何処へ行こうか
冷たい手で ココロ寄せ合う

幸せの意味を
枯れてゆく笑顔でも
感じていたかった
例え寄る方のない
祈りだとしても

一つの痛みが終わって流れ流れ
二つの呼吸で分ち合った
指折りの数 守れない夢を見ていた
立ち止まる声の先に
小さなクローバー

人を真似た肉体で
夢を見る日々は冬を越して

丘の上初めて作った
揃いのコサージュ

暖かさを知る
代わりに失くしていくもの
止めどなく過ぎてく
大切な残り火
全部愛していた

一つの時間が終わって離れ離れ
二つの魂が生きた部屋
眠ったような顔して離さずにいた
花飾りに君が添えていた
小さなクローバー

時が止まったままの部屋と
過ぎ去る季節の跡
薄れていく記憶溢しながら
終わりを待っていた

一つの時間が終わって別れ別れ
二つのガラクタの揺り籠は
朽ちながらずっと二つを揺らし続ける
何度朝日を迎えただろう

ある日の窓辺光に目を奪われ
導かれたあの丘の上で
春のそよ風 手を振るように咲いていた
思い出す君の微笑みと
小さなクローバー
いつまでもずっと
いつまでもずっと
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