ゴンドラの唄

いのち短かし恋せよおとめ
紅き唇あせぬ間に
熱き血潮の冷えぬ間に
明日の月日のないものを

いのち短かし恋せよおとめ
いざ手をとりてかの舟に
いざ燃ゆる頬を君が頬(ほ)に
ここにはだれも来ぬものを

いのち短かし恋せよおとめ
波にただよい波の様に
君が柔手(やわて)をわが肩に
ここには人目(ひとめ)ないものを

いのち短かし恋せよおとめ
黒髪の色あせぬ間に
心のほのお消えぬ間に
今日はふたたび来ぬものを
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