LDK

不器用な夕飯の愛情を
ふたりでいただく日々でした
よく噛んで味わわないから
底が尽きるのも早いのでした

毎週ゴミを出して
朝は見送って
言われた通り片付けをしても
同じ時間を過ごすほど
君が見えなくなっていく

「毎日一緒にいるんだからわかるはずでしょう?」
あんなによく話してくれていたのに
結局最後までわからない
今になってよく噛み締めても
味はしないのです
喉の奥に刺さって邪魔をする
もう取り除こうと思わない
君を忘れることをやめたのです

煮詰まってる残り物には
水を足せばそれだけで済むのに
使ったコップ洗わないと
怒られるとかもわかってるのに

僕の 5%の隣で 9%が空になってた
シミをつけた僕のシャツに
「大きすぎるから」って怒ったことも

仕事の愚痴や日々の不満
なんでも打ち明けてくれるのに
「今日もありがとう」だけで
お腹も満たされた気がしてたのに

「毎日一緒にいるんだからわかるはずでしょう?」
あんなによく話してくれていたのに

結局最後までわからない
今になってよく噛み締めても
味はしないのです
胸につかえたままで邪魔をする
もうどうしようとも思わない
シミになって消えぬ暮らしで
君を忘れることをやめたのです
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