よるのせかい

カーテンの隙間から
漏れる街路灯の光
青白いお月様のように
きらきら、輝く

街路灯が照らすのは
十字型のステージ
一つの光に包まれる
一人だけの場所

時々聞こえる
自転車をこぐ音
疲れ切って眠たそうで

午前3時前の暗い暗い光の中
空を泳ぐのは誰かの涙で
部屋のベッドで白い枕を濡らすのは
誰かの悩みで
おひるよりちょっと悲しいような
そんな、よるのせかい

頭の傍で光る
温かい小さな灯
心のお日様のように
ぽかぽか、ゆらゆら

時々聞こえる
ソファの軋む音
独りぼっち寂しそうで

午前5時前の薄い薄い空気の中
窓を横切るのは私の痛みで
白い灯の線を遮るのは
私の辛さで

深呼吸する雲と朝の太陽が
午前5時前の薄い薄い空気の中
窓を横切るのは私の痛みで
白い灯の線を遮るのは
私の辛さで

おひるよりちょっと悲しいような
そんな、よるのせかい
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