口笛を吹く女

言葉を忘れたのか
君は無口になった
傷つけあった日々を
責めもせずに

裏切ったのはぼくで
許せないのが君さ
化石になった愛が
距離をつくる

桜の木の下に
車をとめれば
調子外れ 君は下手な
口笛を吹く

瞳を覗きこむと
虚ろな部屋が見える
積木がひとつひとつ
くずれてゆくよ

痛みが余り強いと
何も感じなくなる
そして平和な顔で
花は散るよ

狂い咲きの桜が
雨に散り急ぐ
フロントガラス埋める花で
何も見えない

桜の木の下に
車をとめれば
調子外れ 君は下手な
口笛を吹く
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