耳云

誰か抜いてくれこの刃を
誰か聞いてくれこの愚かな叫びを
怪物が呼んでる 果てなき蒼の彼方で
混線する音が姦しいよ 止められないんだ
僕は眠りたいだけなのに

愛憎のもと生まれ落ちた
人の影を踏まぬよう歩く
いく先々で悪意が群れて
赤く染まりゆく地図を眺めた

どうすれば 許されていたのか
どうすれば 笑ってもらえただろうか
どうすれば 愛してくれたのか
もうわからないから

不協和音 駆け巡る孤独
はやく終わってくれと 叫んでみるけど
怯えてる弱者に 声など持てるはずもなく
枯れた大地に水をください
それがたとえ呪われた血でもいい
僕にとって 未来とは 僕のいない場所のことなんだ

鈍痛に気付いて目を覚ました
おひさまが今日もわらっている
この痛みは僕のものなのか?
それとも誰かが泣いているのか?

生きてる命になりたくて
生きてく命に出会ってしまった
生き抜くため愛を求めた
生きてていいのかな

幻想は不可侵の聖域だ
閉じ切ったこの目に 邪はいらないよ
大きく息を吸い 澄み切った風が横切る
君の声だけが聞こえてるよ
それが僕の心を潤すもの
君にとって 未来とは 僕がいる場所のことですか?

怪物が呼ぶ 遠くで待ってる
運命という名の 鎖を巻いてた
無力だけど 無謀だけど 自由になりたいな

いま僕は深いところにいる
心地よく眠って 「悪夢」すら見ずに
起こさないでよ

ああ 汚い響きの連続
煩わしく吠える 僕こそ怪物か
臆病な弱者は 啼くことしか出来ずにいる
耳云はいつまでも消えない
一生共に踊り続けるんだろう
いつかは愛しいと 思えるかな
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