僕らはいつも海を渡った

風のあたる ベンチで 目を閉じて
僕らは きっと 海を旅する
本当に 波を 渡るのと
心の中で 時を越えること
どちらが幸せだと思う?

答えの 中に 生きているのに
いくつも 夏が 終わっていた

交差点をいつ 踏み越えて
もう帰らないと 気づけなかった
夕暮れの声を 波にして
僕らはいつも 海を渡った

図書館の 匂いに 包まれて
互いに 違う 本を開いた
帰り道 交わす 憧れに
妬いている僕を わざと笑うように
ふわりと 髪が揺れてた

あなたは 言葉や 文字を愛して
僕は いつでも 声を 求めた

あの頃とは 違う 雨の中
もうどこにも 居ない みたいだ
真夜中ラジオも 消えかけて

黄色い光が空を駆けて
あの日の駅に滑り 込んでいく
夕暮れの声を 波にして
僕らはいつも 海を渡った
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