2018.3.2

地元にも近く
仕事もしやすく
日当たりの良い2LDK
5度目の年を越し
仲間と飲んで
「後悔はしたくねえな」
とか言い切る人生
スーパーまで
徒歩5~6分ってとこ
雨が降ると階段は
キュッキュッて音
低層のマンション202
都会の喧騒とは
少し離れ綺麗な三日月
目を閉じかけた冬
もう少しで春
1ヶ月後にゃ桜か…
ねえ、見た事はある?
痛かったね 寒かったね
お腹空いたね
違う形で会いたかったね
そこに居た事知らなかった
普通に過ごしてたよ2~3ヶ月間
暗い部屋から君が見てたあの街灯
大丈夫もう怖い事なんて無いよ

2018.3.2金曜17:00過ぎ
急に近づくサイレンの音と
共に止まった消防車
隊員は火の手なんて無えって表情さ
男が2階から「救急車」
と叫び奇妙だって思うのには充分だ
救急隊員取り囲む1ヶ所
その数分後悪夢だって事を知ったよ
土色の顔 案山子みてえな足
タンカ乗せられた女の子
運ばれてくその先
赤子抱えた女合ってねえ目の焦点
「俺は何を見ている?」
思ったのは当然
2階から叫んだ男が出てきた
後に何度も見た
うつむいてたよな?TVじゃ
「船戸雄大」不貞腐れた表情
「パパ怖い」息子が言った
「ああお家へ入ろう」
夜8:00の来訪者は刑事
最悪のイメージ
未だ考えさせられてる正義
眠れない夜明け マスコミと規制線
交通整理警官涙最悪の事件性

家に居られねえ
だから車に乗り飛び出した
夕べの事あのコの事マジかよ…
もしかしたら
泣き叫べば絶対に家に届く範囲
何気無い毎日何でこんなタイミング?
取材陣5~6人
事実告げたこの口
隣人の白い目だから何だ?
聞こえねえ
ひな祭りにひざまづき
あの電柱に花束
小さい子がお菓子を置く
涙流すママパパ
夜になると全てを捨てる大家見てて
春が近い季節なのに戻る様に冷えてく
朝方に供えられた菓子持ってくカラス
警察マスコミ依然目撃者を探す
アスファルトに連日はみ出していた
表情の無い人形見て胸張り裂けていた
ぶっちゃけ何も出来ず
見てただけのこの俺の記憶と
世間のズレや野次馬共にマジで殺すぞ
手を合わせ花を手向け
その中でシャッター
押した奴の気持ちなんか
わからねえよたった
5年間で散った命の数メーター
先のマンションに住んで一瞬で知った
全て居なくなった誰も見なくなった
すぐ近くだった すぐ近くだった
運ばれてく身体忘れないからな
俺がそっち行った時は遊ぼうまたな
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