夢かんざし

桜吹雪が 十和田の湖(うみ)に
舞えばみちのく 故郷(こきょう)は春だ
帰ろうかなあって 思う夜(よ)は
都会の暮らしに 泣けてくる
父母(おや)も知らない やつれた胸に
しのぶ津軽の あかね空

ハァ~アア… 花は咲いても 悲しいものは
人の別れと エエ…風の笛

寒さしのぎに 覚えたお酒
何度飲んだか 涙でうめて
逢いたいなあって 思う日が
瞼に吹雪いて 積もるけど
涙みやげに 帰れはしない
桜花咲く ふる里へ

淋しいなあって 思う夜(よ)は
枕にまつりの 音がする
いつになったら 夜汽車に乗れる
夢を一輪 かんざしに
×