外の光

「……天下五剣が一振り。大典太光世だ。」

立派な名前のせいで
蔵に封印されていた
武器としての役割は
どうせ…
誰も期待してはいないんだろ?
わかってるさ
みんなそうだった

「だがな……」

暗く黴臭いあの場所
俺がいたあの場所
戦は好きじゃないが
戻るわけにもいかない

知ってるか?
暗い所からはよく見える
光ある世界
眩しいほどの季節
外に出されたからには…

「待たせたなあ!兄弟!」

「ソハヤノツルキ ウツスナリ……。
この言葉が俺を示すもの」

坂上宝剣の
写しといえば俺のことだ
なまじ霊力があると
どうせ…
置物扱いになる それだけ
わかってるけど
皮肉なもんだな

「大典太光世とは兄弟だな」

知ってるか?
写しから始まってもいいさ
生きた証こそ
俺だけの物語
俺の霊力なめんな!

聞こえたのは声
俺を呼ぶ声
長い眠りから目覚め
外の光を見た

俺が怖いか?
我が霊力を畏れよ
俺が…
俺が…
斬る!
まばゆく光る この切っ先で
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