夜凪

待ち合わせに珍しく
先に着いて待ってた 改札口

君は少し驚いた顔
ほころぶ表情くすぐったくて

ほら、「どうしたの?」聞かれちゃって
「たまにはいいかな」って
とぼけた顔して笑うの

そうやっていつも通り
始まったふたりの時
手を繋ぐタイミングはここ

ふたりは夜凪になっていた
君だけを見てる今も
あの頃のはやる気持ちは
置いてきたけれど

ふたりの渚に乗っかって
少しだけのスパイスを
あの夏を見てた君と
夜風に吹かれて

陽が落ちる海辺 寝転ぶ君と
たわいない事を語り合ってた

ほら、今日も話半分
「んー、ちゃんと聞いてるよ」って
寝ぼけた顔して呟く

そうやっていつも通り
お決まりのルート辿って
遠回り帰り路に着くの

ふたりは夜凪になっていた
君だけを見てる今も
あの頃と変わらない
横顔に見惚れて

ふたりの渚に乗っかって
少しだけのスパイスを
あの夏を繰り返すたび
惹かれ合う心
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