風の峠

峠ひとつが なぜ越えられぬ
越えりゃ故郷と 知りながら

捨てて三年 忘りょとしても
忘れられない 顔ひとつ

嫁に行ったか もう母親か
風がむかしの うたになる

変らないのは 一本杉よ
風の峠に ひとり立つ

胸に大事に しまっておいた
夢はこのまま 抱いて行こう

峠ひとつが また越せないで
もどる背なかに 寒い風
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