からすとゆりの花

背広の襟には ユリの花
せなかにかついだ 青い空
離しておくれよ その指を
かわいいおまえの しあわせを
さがしにゆくんだ この俺は
ハァー
お嫁に アーいかずに 待ってなよ

あの娘(こ)は谷間の 白百合さ
おいらは気ままな 旅がらす
かんべんしろよと 声かけた
お山の向うの ひとつ星
きらりとひかって うなずいた
ハァー
おもわず アーほろりと してきたぜ

夢だよ夢だよ 夢だけが
まっくらこの世の 道しるべ
山道坂道 へいきだが
男だ男だ 男なら
やっぱり女が 目の毒だ
ハァー
そいつを アー云うのは 早すぎる
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