浪曲ドドンパ

妻は夫をいたわりつ 夫は妻に慕いつつ

見えぬその目を 治そうと
たどる壺阪 月の道
可愛いお里の 純情が
観音様に 通じてか
やがてご利益 あらたかに
沢市さんの 両の目が
ドドンパっと 開(あ)いたとさ
ドドンパ ドドンパ 浪曲ドドンパ

旅行けば 駿河の国に茶の香り

富士を背にして 四国まで
ひとり気侭(きまま)な 船の旅
話し相手の 江戸っ子に
東海道(かいどう)一の 暴れん坊
馬鹿と云われて 口惜しくて
石松さんは カッとなり
ドドンパっと 啖呵切る
ドドンパ ドドンパ 浪曲ドドンパ

遠くへちらちら 灯りがゆれる

悪いようでも 心底は
こころ隅田の 男まえ
かけた情けが 縁となり
危うい命 助けられ
晴れて訪ねる 奥州路
吉五郎さんは 袈裟衣(けさごろも)
ドドンパっと 旅に出る
ドドンパ ドドンパ 浪曲ドドンパ
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