三味線仁義

照る日曇る日 旅空ぐらし
私しゃ根っから 流れ鳥
露地の灯りが ありさえすれば
そこをねぐらと 決めこんで
渡る娘の 三味線仁義

たかが女の 芸人などと
聞けばすまない 鉄火肌
気分次第で 金銭ずくじゃ
売らぬ唄でも 弾きもする
男まさりの 三味線仁義

こんな糸でも 私にゃ生命
伊達じゃ持たない バチ一つ
軒場すずめの 心のうちは
桧舞台を 踏むまでと
かけた願いの 三味線仁義
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