名前のない色

どこか懐かしい匂いがした 確かまだ春が青かった日に似た匂いだ
喉が掴んで離さないような 恥ずかしい言葉を君に贈るよ

君の頬の薄紅色と僕の心の青さは綺麗に混ざるとして

名前のない色 青い春 僕らは恋をした
初めてのようでどこか懐かしいこの色を
何回だって初恋と呼ぼう

時は記憶を美化していく それと同じくらい記憶を曖昧にする
君をどれくらい好きなのかさえ いつの日か僕は忘れてしまうの?

君の意外な弱さだって僕の汚れた罪や嘘は過去に溶かすとして

名前を呼んでよ それだけで あの日に戻れるよ
激しい恋から穏やかな愛に変わっても
何回だって思い出すよ

二人のうち どちらが先にいくのかな 先にいきたいよ
でも君が先にいくのなら 僕の無意味な余生など一緒に燃やすとして

名前のない世界 そこはどう? あとで僕も行くよ
五感のすべてをなくしても君を見つけて
何回だって会いに行くよ

名前のない色 青い春 僕らは恋をした
初めてのようでどこか懐かしいこの色を
何回だって初恋と呼ぼう
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