クロソイド曲線

体感速度よりずっと速くやってきた朝に打ちのめされつつ
急勾配を鈍牛の如く這い登る僕もっと遅い君

この坂を登り切ったらもう終わりでいいだろう
もう歩けやしない 2人分の疲労

正しい速度でさっと僕ら追い抜いた影に打ちのめされつつ
急勾配あと少しだアルコホル残る僕もっと酷い君

この坂を登り切った先に続きがなくとも 明日を描くであろう 2人分の愚行

手を取り合って一直線 穴だらけの羽で飛んでいた
障害物避けられないで ぶつかった破片が弧を描く
あの日の僕ら一直線 恐ろしさも知らずに飛んでいた
ずっとずっと強くなった今 欲しがるものじゃないはずなのに

首都高速道を抜けた アクセル踏んで欠伸噛み殺す夜明け
目を開けたまま見た夢を奪い去るクロソイド曲線

にじむ太陽一直線 穴だらけの羽に透けていた
笑うしかもうないようなザマを指差しあっていた朝
あの日の僕ら何ひとつ手にできないまま並んでいた
ずっとずっと強くなった今 どこにいるかさえ知りもしないのに

手を取り合って一直線 穴だらけの羽で飛んでいた
障害物避けられないで 飛び散って叫んでは弧を描いたんだ
あの日の僕ら泣いていた 恐ろしさを振り切り飛んでいた
ずっとずっと強くなった今 もう二度と手には入らない光
×