海峡酒場

赤いグラスで 片頬かくし
女がつぶやく 悲しげに
番(つがい)でいるから 雪の日だって
暖かそうね 沖ゆく鴎
春はまだ先 海峡酒場

夢はひととき 深追いしては
ますます遠のく ものなのさ
内緒で部屋借り 暮らした月日
秋冬あわせ たったの三月
未練つのらす 海峡酒場

うんと涙の出そうなヤツを
ロックで頂戴 女将さん
みっとも無いけど 泣かせて欲しい
出来れば明日 この町捨てて
二度と来ないわ 海峡酒場
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