雲と群衆

夜の雲のように白い 飛行物体が
空いた 隣の席に座りこむ
うたた寝してる間に すいてたはずの
内臓のすきまに 群衆が巣を作る

何の出し物も無い 今日の舞台には
誰が 書いたのか明日と言う字が
昨日と読める言葉に 変わってしまってる
幕は少し下がり 上がったりするだけ

群衆は屋根を 伝って奏でる
耳には届かない 低音のタンバリン
マンホールの中 居心地が悪い
鎖があるなら そこから投げてよ
呼び子の笛が 呼び子の笛が
今日も響く はずなんだ

話には裏があるって 知ってるだろう
上々の朝には 気をつけろよ
希望を差し上げるから 助けて下さい
そんな奴がたくさん 歩道を歩いてる ねえ奥さん
マンホールからは 子供が生まれる
助けてやろうにも 検問だらけで
捨て子の声が 捨て子の声が
明日には あふれるはずだ
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