Someday

タテカワユカは消えたかった
今ここから消えたかった
泣くとうるさいって殴られるから
泣けなくなったんじゃないの
泣けなくなんてなってないの
私が選んで泣かなくなったの

なけなしのお金を握りしめて
ガラガラの始発電車に乗った
ここではないどっかへ行きたかった
どこにも居場所ないよ

悩みも辛さも
誰にも話せないまま
一人で死んでくんだって思ったの
朝焼けが綺麗だって震えたことは
結局一度もなかったけど
こぼれた缶ビールに映る
つるつるした光は
ちゃんと美しかった

タテカワユカは逃げたかった
今ここから逃げたかった
何も理解しない大人たちは
とても幸せなんじゃないの
とてもハッピーなんじゃないの
幸せすぎて可哀想なくらい

なけなしのお金を握りしめて
乗ったガラガラの始発電車は
私をどっかへ連れて行ってくれようとした
そんな気がした

悩みも辛さも
誰にも話せないまま
一人で死んじゃうんだって思ったの
夜明けが綺麗だって震えたことは
結局一度もなかったけど
白い肌に残る丸い跡は
クレーターみたい
きっとそこは月だった

逃げて 逃げて 逃げたくって
どこも どこも 行けなくって
助けて 助けて 言えなくって
わかって わかって ただ祈った
わかって わかって ただ祈った
ああ

なけなしの希望を握りしめて
打ち明けた暴力と理不尽に
大人から返ってきた言葉は
「それも愛情なのよ」

悩みも辛さも
誰にも話せないまま
一人で死んでくんだって思ったの
私を遠くまで運ぼうとした電車たちは
「また失敗しちゃったね」と
申し訳なさそうにした
ごめんね 私こそ
Someday 逃げて逢おうね
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