プリズム

あれは三日月だって君が言ったんだろ
わたしどっちだってよかったのに
それは悲しみだって君は言ったけど
わたし悲しくなんてなかったの

得意な冬が終わってしまったら
ぼやけた朝に感けられない
床に散らばる粘膜の群れは
まぼろしなんかじゃなかったわ

聞こえない声と指先の今日は
わたしを少しだけ真面にするから

作り話の私たちには
この夜しか関係ないから
悲しくなんてないさ
作り話の私たちにはこの夜しか
掛け替えないから少しだけ寂しかった

あれは三日月だって君が言ったから
わたし上を向いて笑う
これは幸せだってわたしが言ったって
君は下を向いてくれない

鉄の匂いが夜を走る
信号待って渡るから
急いで走っていかないでと
もっともっと可愛く言いたくて

聴けない声はないのと同じかな
わたしはずっと賢いふりをしたいた

作り話の私たちにはこの夜しか
関係ないから
悲しくなんてないさ
作り話の二人の傑作は匂いすらしない
甘い温もり抱えて消えてしまうのかい

これは悲しみだって君は言ったけど
わたしずっと幸せだったのよ
作り話の私たちにはこの夜しか
掛け替えないから本物なんてないさ
作り話のわたしにとって奇跡みたいだ
君がいないとさ この夜は完成しなかった
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