晩夏の岬

この先は恋の 行き止まり
戻れはしない
くずれて白い 波しぶき
罪だって かまわない
死んだって ねぇ あなた
泣いて泣いて 叫んでも
暗い波間に 消えてゆく
ひとり晩夏の 北岬

どんな花よりも 愛しいと
あなたの声は
たそがれよりも やさしくて
もう二度と 抱かれずに
唇は まだ熱い
胸が胸が 張り裂けて
海もおんおん 鳴いている
ひとり晩夏の 北岬

すがりつく腕を ほどくよに
季節はすぎて
涙も枯れた 砂の道
紅い陽は 落ちてゆく
会いたいの ねぇ あなた
おいておいて 行かないで
夢を見させて 欲しかった
ひとり晩夏の 北岬
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