港町恋唄A

港わたりの 船乗りは
潮の香りの いい男
酒は強いが 情けに弱い
小樽 松前 鯵ヶ沢(あじがさわ)

俺に本気で 惚れるなと
一夜泊りで 背を向ける
ついていきたい かもめになって
深浦 秋田 酒田まで

きっと来るよの 約束は
海が時化(しけ)れば かなわない
どうかご無事で また逢う日まで
新潟 富山 輪島沖

未練心の 船乗りは
涙しぶきに 隠すだけ
陸(おか)に手を振り 笑顔を見せる
加賀に 敦賀(つるが)に 宮津へと

今度生まれて 来る時も
波を蹴立(けた)てて かけまわる
なのに恋路は どうにもならぬ
鳥取 浜田 尾道(おのみち)も

昨日倉敷 今日多度津(たどつ)
明日は高砂 港町
消えぬ面影 波止場にゆれる
淡路 大阪 旅しぐれ
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