laundry

居なくなった後のシーツの温もり
なぞった朝のことを思い出してる
いつもそう、幸せと分かるのは
手放したその少しだけあと

貸したあのTシャツの柄と
乾燥機の中で時折目が合う
連絡をしようとするけれど
またいつもみたいに何も出来ずに
宙見上げて

変わり映えのしないデジャブーの形
どうにかしたいとは口で言うけど
結局何にもしないこの感じ
堂々巡りも悪くないね

触れればまだ濡れてる3割
もう一度コインを入れて回して
頬杖をついて見つめた窓に
1、2滴の雨の形

薬指に揺れる逆むけ
良くないと分かっててもつい触ってて
忘れたい昔話は何故
踏んでしまった爆弾みたく突然現れだして

勇気を出してみて良かったこととか
今までに一つとしてあったっけな
結局散らかすだけのことになって
傷は余計増えた気が

悩みごとは17歳のまま
ほとんど変わらずに来てしまったねと
逆むけに気を取られてるうちに
うつり変わる考えごと

どうにもならないこと
どうでも良過ぎることが
回り続ける

変えてしまいたいこと
変わって欲しくないことが
よぎり続ける
一人きり

居なくなった後のシーツの温もり
なぞった朝のことを思い出してる
情けないほど気になり始めている
今頃君はどうしてる

抱きしめれば柔軟剤の香り
手放さなくたって分かる幸せ
こんな風に噛みしめられないのかな
考えながら小走りして
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