遠いストーリー

遠いストーリー
海沿い走る汽車に乗った
僕はこれから何者になっていくのだろう
いつものように
缶コーヒー窓辺に置いた
しょうもないことばっかり思い浮かべてる
仲間内で始まったバンドは解散し
幾年かの時が過ぎそれなりに歳をとった
あの頃好きだった人 あの角のラーメン屋
綺麗な思い出だけじゃないし腹も減らなくなった
人生ってやつは不思議で
何気ない毎日の中に奇跡は突如訪れるけど
掴まえようとするとするりとすり抜けていく
そう簡単には近づけないまま
遠いストーリー
いつかのペンキを用意した
僕はこれからどんな絵を描いていくのだろう
出会った頃に
腹抱えて笑い転げた
しょうもない君のことばっかり考えてる

劇的な展開はなくても
揺るがないものひとつだけ
気づいたら近くにあって
次のページをめくってた

遠いストーリー
海沿い走る汽車に乗った
僕はあれから何者になってしまったのだろう
あの日のように
缶コーヒー窓辺に置いた
野暮ったいことばっかり思い浮かべてる

遠いストーリー
言い出したらきりがないから
僕らこのまま何者にもならなくていいだろう
いつものように
カップにコーヒーを注いだ
いってきますといってらっしゃいでふざけた

遠いストーリー
遠いストーリー
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