冬が来て僕等

今年の夏は暑かった
何をするにもどこかずっと
パッとしない日が続いてた
うまいこといかなそうだった
それでも信じていたんだ
首を横に振るばっかりの
生温い風の中で
季節の変わる音を聴いて

今はまだどうしても言葉にできないけれど
心配はいらないからさ
きっとそのうち伝えるから

もしも次の冬が来て僕等
いつか見つけた夏のぬけがらみたいに
離れ離れの合図に気づいても
はじめは気づかないフリしていたいよな
それから先はどうなるか
それから先で考えよう
痛いほど寒い夜
守れなさそうな約束と
あの歌が僕等すべてだった

大したことじゃなかったのに
友達の胸ぐら掴んで
ひどいこと言ってしまって
後悔しか残らなかった
誰もいないアーケード街
聴かせてくれたあのリフレイン
言い訳なんてしないから
もう一度聴かせてくれないか

情けない夜の中で大切なことを知った
後ろを振り返ると涙がこぼれそうさ

もしも次の冬が来た時に
僕の声が君まで届かなかったら
時計の針は戻せないことを
あの日と同じようにまた後悔するのかな
それじゃだめだとわかってる
それならここで強くなる
手のひらにまだ残る悲しみを
なくさないように
君が好きだった歌のように

もしも次の冬が来て僕等
いつか追いかけたあの背中みたいに

もしも次の冬が来て僕等
いつか見つけた虹のはじまりみたいに
消えてなくなりそうになっても
どこまでも同じ話で笑っていたいよな
それから先でまた話そう
それから先でまた交わそう
泣けるほど寒い夜
誰かが今日もまた歌い出した
あの歌が僕等
冬が来て僕等
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