24秒

止まれよ ああ止まれよ
これ以上前に運ばないで
車だってそうしたくってしてはいないって
頭でわかってたって
でもすでにある楽しみは突然の悲しみを
またいで飛んで 肩をなでて
「そこを右に」勝手に指を指す

ただ時計の針を泣いて見つめるだけじゃ
止まらないよ時は ただ去っていくだけ
知って知って知ってばかりなんて
あまりにも遠いとこのおはなし

祭りだ でっかい祭りだ 待ちに待っていた今日だ
心よいいよ 失くしていいよ
元気も勇気もやる気もなにもかも
願いはそこらじゅうで
祈りはもう十分足りてる
世界はきっと泣いてくれてるはず
私が家に帰って突っ伏すまで

ただ時計の針を泣いて見つめるだけじゃ
止まらないよ時は ただ去っていくだけ
止まることを責めてもくれないなんて
あまりにもひどいおとぎばなし

点と点のあいだに金の糸
たとえばあの人の生まれた日と今日を足したら
24になったってきれいに導かれても
うすれて かすれて 忘れていくようで
見えなくても消えない電気のひもにみえて
ひっぱってみたってつながっていなくって
どうしてここでこんなに

24秒を数えても
時計の針が進んでいくだけ
無邪気に袖を引っぱる毎日に
ついていきそうになる私よ

もうちょっと待って もう少し待って
24秒だけ数えて
もうちょっと待って もう少し待って
24秒だけ数えて

もうちょっと待って もう少し待って
24秒だけ数えて
もうちょっと待って もう少し待って
24秒だけ数えて
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