湯の花みれん

墨絵ぼかしの 湯けむりに
揺れる面影 たずねれば
ああ 湯の花 恋の花
せめて逢いたい ひと目でも
追えば未練の 雨が降る

紅く燃えてる 山あいに
ポツリ灯(とも)った 宿あかり
ああ 湯の花 白い花
抱けば儚(はかな)く 消えそうな
細い襟足 忘れない

古い酒場の 夜(よ)も更けて
ひとりしみじみ 手酌酒
ああ 湯の花 かくれ花
どこにいるのか 幸せか
追えば未練の 雨が降る
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