母ちゃんお嫁にゆかないで

逢いたかったら 瞼をとじろ
母は瞼の 裏にいる
だけど気になる 故郷の空を
仰いでそっと あの子は叫ぶ
母ちゃん 母ちゃん お嫁にゆかないで

若いやさしい 母ちゃんだから
ひとりぽっちは 可哀そだ
いつも祖父(じ)さまは 手紙に書くが
俺はいやだと あの子はすねる
母ちゃん 母ちゃん お嫁にゆかないで

つらいときには 戻ってゆける
愛の塒(ねぐら)さ 母ちゃんは
自分ひとりの 止まり木だから
写真をなでて あの子はせがむ
母ちゃん 母ちゃん お嫁にゆかないで
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