雪の華

流れ他国の 北の停車場(えき)
しのぶ過去(むかし)に 雪がふる
ゆらゆら肩に 舞い降りて
解(と)けて儚(はかな)く 胸を刺す
ゆらゆらゆらり せつないよ
あいつは春の 雪の華

胸でくすぶる 詫び言葉
言えずじまいで 春が逝く
ホロホロひとり 飲む酒が
やけに身に泌む 縄暖簾(なわのれん)
ホロホロホロリ 逢いたいよ
あいつは春の 雪の華

何処へ逃げても 面影が
雪の季節にゃ 浮かぶだろ
ハラハラひとつ 手に乗せりゃ
消えて涙の 露になる
ハラハラハラリ 淋しいよ
あいつは春の 雪の華
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