ほどけた二人

赤のチョークを選んで囲った
僕と君の二人の名前に
結んだ今を離さないようにと
祈ったはずなのに

夕暮れの影が伸びる教室で
カーテンの中二人心繋ぎ合った
黒板に無邪気に君が近づいて
6時間目の板書の下に
小さく今を刻んだ

映画みたいな二人だった
きっと誰もが恋い焦がれるような
ドラマみたいな日々だった
続きが待てないような

赤のチョークを選んで囲った
僕と君の二人の名前に
結んだ今を離さないようにと
祈ったはずなのに
あの日のおまじないはどこで
解けてしまったのか
あの日の結び合った糸が
今も見つからぬまま

蝉の鳴く日も雪が積もる日も
君の制服、袖の長さで
月日を感じてた

寂しくさせたのか
怒らせてしまったのか
今でもわからないよ
君は青い日々が生んだ幻だったのかな

赤のチョークを選んで囲った
僕と君の二人の名前に
結んだ今を離さないようにと
祈ったはずなのに
忘れないよ髪をかきわけた
あの時の最後の横顔
ほどけた日の滲んだ景色が
今も離れないんだ
あの日のおまじないはどこで
解けてしまったのか
あの日の結び合った糸が
今も見つからぬまま
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