帰郷

約束したでしょ?ふたりで旅をすること
北のはての、もっとずっと 遠い街の海まで。

夢でもかまわないから、ここにいさせて。

そして朝が遠くみえてもわたしを抱いていて
いつか壊れるときがくるまでいっしょに暮らそうね。

ふたりは笑うでしょう、日々はおだやかに過ぎて
赤い血のような夕焼け 悩むことなどない場所で。

あなたはもういないけど 淋しくないの

だから時間(とき)をめぐり終えたらここにむかえにきて
そして朝がもう来なくてもわたしを抱いていて。
誰も知らない海辺の町でふたりで暮らそうね。

しあわせに暮らそうね。

―― 約束したでしょ?一緒に旅をすること
北のはての、もっとずっと 遠い町の海まで。
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