あなたがくれた愛

大きな家から小さなアパートに、越した日のことを今でも覚えている
クラスの誰にも打ち明けなかったのは、
越したその夜に、母が泣いていたから
昼も夜も働きだし、それでも記念日の洋服は5年前と変わらぬまま

毎日息を切らし帰ってくるあなたは、玄関を開けるとすぐに私を抱きしめた
焦がした生姜焼きを「嬉しい」と噛みしめるように頷いた心の底を
あの時はまだ理解できなかった

お風呂で歌うたび、目を閉じ何度でも褒めてくれたこと今でも忘れないよ
何気ない一言で傷つけた夜 次の朝いつものように、お弁当を作る背中

今ならやっとわかるよ あの時代の母の想い
見栄とかプライドを越えて必死で育ててくれた
あなたがくれた愛をここから伝えていくから
一番近くで見てて この先も10年後も笑っていよう。
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