幕凪

でも
どうしてどうして
君は僕が好きなの
だけど
ならどうしてどうして
僕も君が好きなの

靴下を揺らした風に
君は秋って名付けた
慣れた知らんふりを羽織り
僕は先を歩いた

夕焼けの換え電球を探していた
二人じゃ狭い白色灯
まとわりつく羽虫を追っ払ってさ
車も電車も五月蝿い誘導灯

どうしてどうして
君は僕が好きなの
だけど
ならどうしてどうして
僕も君が好きなの
好きなの

ずっと自分のことばっか考えてた
それがいまはどうして
知りたいことなんかずっとこれっぽっちさ
国語も映画も知るほどつきまとう
幕凪

どうして
どうして
君は僕が好きなの
だけど
ならどうしてどうして
僕も君が好きなの

好きなの
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