愛など

砂浜に新しい足跡
手のひらより 小さい
産まれたての海を掬う
透明だけが目の前に

水平線に溶ける青の隙間
から伸びる温度みたい
触れればありありと
そこにある重い脳を預けて

解けかけを紡いでいるだけ
汚れた綺麗な
冷たい肌 白い泡が指先に当たる

いままで飲み込んだもの
全てが臓器に溶けている
吐き出したくても吐き出せないのだ

プールサイド 雪が積もるように 花が閉じる前に底に触れた
ひかりがゆれている

解けかけを紡いでいるだけ
汚れた綺麗な
冷たい肌 白い泡が指先に当たる
×