化粧坂

風が冷たく 吹き抜ける
石の坂道 切り通し
あなたをここで 見送って
あれから三年 過ぎ行く月日
呼んでも返らぬ 恋ですか
口紅(べに)も哀しい 鎌倉 化粧坂

そっと名前を 呼んでみる
涙溢れる 岩清水(いわしみず)
あなたの胸に 寄り添って
甘えたあの日が せつなく浮かぶ
待つのは愚かな 夢ですか
ひとりたたずむ 鎌倉 化粧坂

いつか山から 黄昏(たそが)れて
沁みる鐘の音(ね) つづら折り
あなたの声が したようで
思わず振り向く 落葉の小径(こみち)
散りゆく運命(さだめ)の 恋ですか
ゆれる楠(くすのき) 鎌倉 化粧坂
鎌倉 化粧坂
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