柴又暮色

春の日に さくらが舞って
過ぎし日の 思い出誘う
肩寄せ 歩いた
江戸川の辺(ほとり)
面影が ぬくもりが
この胸に よみがえる
帝釈天(おてら)の参道(みち)に 鐘が鳴り響く
あゝ もう一度 もう一度逢いたい…

渡し舟 ひとりで乗れば
花冷えの 川風寒い
一途(いちず)に 愛した
あの人はいない
信じてた 夢見てた
倖せは 帰らない
帝釈天の参道に 鐘が鳴り響く
あゝ 人もない 人もない夕暮れ…

忘れたい 忘れない
ひとりきり 合掌(て)をあわす
帝釈天の参道に 鐘が鳴り響く
あゝ もう一度 もう一度逢いたい…
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