native town

どこか行きの青い標識
呼び方も知らない街
きっと僕や僕の街も
誰かにはそうだろう

遠くカンカンと うねる沿線に
響く耳慣れた音色
それは淡々と どこか安心で
まるで母の声みたいで

目まぐるしく変わる信号
キミの本当は何色?
もしどれでもないとしたら
どんな色だろう

空は段々と 染まる橙に
今日という日を燃やして
それは煌々と やけに堂々と
まるで父の背中のよう

どこか行きの僕の標識
行き先は見当たらない
色の消えた信号機が
僕に決めろと言う
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