中空の庭

ここは中空の庭
空知らぬ雨で満ちゆく場所
世界がどんなに美しくても
絶えず悲しみは降る

願う度に羽は濡れ
地上へと近づくの
重い羽閉じて
そっとからだを包む

ここは中空の庭
涙が雨に還る場所
時には温度を奪われて
時には汚れた羽を濯いで
やがて知るの
こんなにも強く
明日を望んでること
天泣が世界中に反射する

願いごとが叶う度
堪らなく寂しいの
次の願いに会える保証なんてないから

願う度に羽は濡れ
地上へと近づくの
罪を抱え羽を閉じる

いつか満ちる雨に溺れ
声が泡へと変わっても
映る水面は光が差して 私を照らす
ここは空にいちばん近い
雲の頂きだからね
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