雲の果たてに

たなびく時の透き間から
こぼれ射す 夢の名残り香

見えない明日を探しては
織りかさねた うたかたの日々

ざわめきと 熱い空気に
戸惑いながら 運命(さだめ)を分け合った

流れてゆく 雲の影に
願いを 預けたまま
目を閉じて 想い委ねれば
誠がはためく 今でも

ほのかに揺れた 言の葉は
想い出の宿り木のよう

見果てぬ天(そら)の波間へと
浮かんでゆく 数多の記憶(ひかり)

聴こえるの 風の匂いが
あの日のままに 私を包むから

出逢ったこと 信じたこと
痛みを 預けたこと
寄り添った 命の温もり
すべてを 優しきしるべに

何かを手にして 何かを失くして
人はきっと 今日を生きてる
移ろいゆく 季節も 時代も
雲の果たてに 光帯びてゆく
形なき宝物たちのようで

流れてゆく 雲を見上げ
懐かしい話をしよう
目を閉じて 想い委ねれば
あなたが微笑む いつでも
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