秋風の吹く頃に

どうしても 手に入らないと
なおさらに 欲しくなるように
小さな部屋で 月の明かりを頼りに
何度も 抱きしめた

約束はできない 貴方と
サヨナラが言えない 私の
重ねた秘密がつくる 二人の世界
あまりに 美しく

これが 愛だと知って
甘い夢に 溺れて
貴方がいれば 何も要らなくて
窓の隙間 吹きつける
秋風の冷たさも
忘れるほど熱く 私、燃えていた

戻りたい とは思わないわ
今ここに 感じる幸せ
昼間の街を 手を繋いで歩けてる
未来だってくれるの

なのに 何かが足りない
変わらない たしかな愛
痛いほど 求めてたものなのに
胸の隙間 吹き抜ける
秋風が冷たくて
なぜだろう 気づいたら少し 泣いていた

あんなにも苦しくて
あんなにも切なくて
心 砕いたのは 貴方だけで
二度と戻ることのない
愛おしい痛みだけ
密かに抱きしめて 今日も生きてゆく
×